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進路を自分で決められる子どもに育てよう

星出宇宙飛行士の乗ったソユーズ宇宙船が打ち上げられるのを今日の午前中に見ていたから......というわけではないけれど、覚え書きし忘れていた『進路を自分で決められる子どもに育てよう』について。本書は、いまや日本人宇宙飛行士の出世頭(と呼んでよいと思うのですが)となった、若田宇宙飛行士の母・若田タカヨさんの著書。

若田さんほどの立派な人物に......とまでいかずとも?我が子を宇宙飛行士に育てるための一種のマニュアル本という期待をもって本書を読むと、まず間違いなく落胆することになります。どういう時期にはどういう教育を施したとか、そういうことはほとんど書かれておらず、どちらかといえば親子の(というよりはご一家の)思い出話が淡々とつづられているからです。子どもと接するうえで大事にしたポイントや、教育方針的なことも書かれてはいますけど、宇宙飛行士という職業との紐付けが特別強いわけではありません。

そういう本書ですけど、僕自身は最後まで楽しく読み通せました。いくつか理由がありますが、まず第一に自分の息子を宇宙飛行士にしたいと思っているわけではないこと。もちろん目指してくれるならそれはそれで嬉しく思うけど、それを強制したいとは思っていない。第二に、「進路を自分で決められる子どもに」というのは、一日も早い自立を願う自分の親としてのスタンスと通じていること。第三に、国際宇宙大学に参加しているときに若田宇宙飛行士と直接お話しする機会があって以来のファンであり、若田さんの人柄が形成されるプロセス、ないしそれに関連するエピソードを知ることのできる貴重な内容であったこと。

驚いたのは、若田さんが小学校二年生の時点で英語を習いたいと申し出ていたことかな。今でこそ、小学生の英語学習は珍しいことではない(5年生からは必修でしたね)けれど、40年も前にしかも自分から進んで学ぶことを欲したとは、恐れ入ります。あいにく、ご本人がなぜそのように考えたかは本書で明かされていませんが、たとえ幼い時分であっても子どもの興味・関心をしっかり受け止めるというのは大事でしょうね。その点は、僕も励行しているつもりですが。

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