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Re: 「レスポンシブWebデザイン」の是非に関する考察

鷹野さんが「レスポンシブWebデザイン」の是非に関する考察をされていました。

よかれと思って行う実装がかならずしも喜ばれることではないかもしれないとう想像力をキープしておかなければなりません。

まったくもって御意ですね。異なるデバイスでもって同じサイト/ページを利用するユーザーを想定すればこそ、その点は注意が必要だと思います。レスポンシブWebデザインだからといって、スマートフォン程度のスクリーン幅とデスクトップPCのスクリーン幅とでレイアウトやトーン&マナーを過度に変えてしまうのは、考えものだと思うのです。ユーザーは、自身の求める情報なり機能をすぐと見つけられなかった際、見つけるための手がかりを必要とするわけでしょう。その近傍に何があったか、というような記憶を活かせるだけの配慮は必要だと思います。

さて、レスポンシブWebデザイン。これには2つの意味合いがあると考えています。

ひとつは、ワンソースでのマルチデバイス対応。デバイスごとにことなる対応を行うまでの手間はかけられない、っていうときに使う方法。もうひとつは、現状のAndroid端末のように、デバイスの幅も高さも仕様がバラバラな状況で、これらにコンテンツを対応させる、といった意味合い。

前者はさておき、後者の意味合いはちょっとよくわかりませんでした。レスポンシブWebデザインは、Android端末という狭いカテゴリにとどまることなく、あらゆるデバイス(のもつスクリーンサイズ)に対応するためのデザイン手法と理解しています。デスクトップPC版とは別にスマートフォン最適化版のページを用意したとして、それ(スマホ最適化版)が多少のスクリーンサイズの違いを吸収する程度にレスポンシブであろうと、総体的にはレスポンシブWebデザインとは呼べないだろうと思います(複数の異なるソースでマルチデバイス、マルチスクリーン対応をしているわけですから)。

やっぱり、PCサイトとスマホサイトは別途用意して、ユーザーが切り替え可能にしておくのがよいかもしれないと思ったり。

そういうケース「も」あるでしょうね。特にデバイスごとに利用シーンが大きく異なり、ユーザーの求める情報や機能に違いが大きくなればなるほど、レスポンシブWebデザインのような汎用化手法ではなく、デバイス個別の最適化手法が求められると思います。実際、LinkedInのiPad向けアプリ開発に関する記事、You'll never believe how LinkedIn built its new iPad app (exclusive) | VentureBeatでそういう内容が語られています。

そう考えていくと、アップルのサイトがスマホで見ても、ほぼ同じ、というのは、やっぱり一考すべきだし、W3Cのサイトが480ピクセルでのブレークポイントしかない(つまり、タブレット用のレイアウトは用意していない)あたりも、その意味合いをちょっと考えてみるといいかもと思う。

AppleにしろW3Cにしろ、「なぜ」そういう設計になっているのかというのは、設計者に直接質問でもしない限りわからないわけで、自分なりにどう考えようとも推測の域は出ないのですよね。Appleのサイトのつくりについては、以前からpxt | 考察:Appleはスマホサイトを作らない。などで議論されていますが、自分は単にAppleのプロダクトに対する設計思想を単純にWebサイトにも適用しているだけだと思っています。iPhoneにしろ何にしろ、世界中の国や地域に同じ仕様の製品を出荷しているのと同じっていうか。W3Cについては......単にデスクトップPCのスクリーンサイズに寄せてタブレット端末におけるレイアウトを定義しているだけかなと。

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