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Mobilizing Web Sites

Kristofer Layon氏の著書『Mobilizing Web Sites: Strategies for Mobile Web Implementation』は、『Mobile First』に続いてiBooksで読み終えた電子書籍。PeachpitでeBookを購入すると、PDFとePubっていう2種類のフォーマットの両方が入手できるのですが、もちろんePubで読みました。ただ、本書の場合、文書中の画像とキャプションの位置が妙にズレているところが目につきました。『Mobile First』はそんなことなかったんだけどなぁ。ちなみに、その『Mobile First』の著者であるLuke Wroblewski氏がまえがきを書いていたことを、実はつい最近になって知りました(LukeW | Mobilizing Web Sites Foreword)気づかなかったなーw 以下、気になった記述など:

I firmly believe that acceptable mobile design does not require an expert nor a ton of time and money - it just requires the decision to give it a try, and a commitment to keep improving on what you learn
冒頭の謝辞より。著者の、というか本書のスタンスはこのくだりに集約されているのだと思います。「Mobile First」の考え方が今後ますます重要になるにせよ、既存のデスクトップ向けのサイトを丸ごと作り直すのは一筋縄ではいかないし、多くのコンテンツを有する老舗サイトであれば尚更。だからこそ「Mobile Later」な考え方で、まずは着手できるところから段階的にでも対応を進めよう、と。
"Mobile later" can indeed work; we do not need to wait for "mobile first"
この「Mobile Later」というフレーズは新鮮でした(それまでもっぱら「Mobile First」ばかり目にしていたので)。本書においては、ほかにも「Mobile Never」というフレーズが登場しますw
Mobilizing user experience, interface design, and content strategy does not need to be an all-or-nothing endeavor
ユーザー体験、インターフェイスデザイン、コンテンツ戦略といったもろもろをモバイル対応するというのは決して「全てか無か」ではない、という。これも謝辞から引用した主張と重なるところではあります。最終的には全ての面でモバイル化させるにせよ、今できることがあればそれに着手しない理由はない、という主張ですね。
Have you ever heard of the clever phrase "human doing" (as opposed to human being)?
聞いたこと、無かったですねぇ。ただ言われてみればなるほど「human doing」とは言い得て妙というか、就寝中や完全にぼーっとしている以外の時間、大抵は何かしら行動しているものですよね。モバイルコンテキストであれば間違いなく。
being a standards-based web designer is inherently about being responsive
Web標準に則った設計・実装ができるなら、本質的にそれはレスポンシブな設計・実装ができることを意味すると。リキッドレイアウトの採用、画像サイズの可変化、メディアクエリーの使用といった要件のすべてを現状が満たしていなくとも、満たすための土台は作れているという感じですね。
Mobile presentation of web content is like packing carry-on luggage: until you have the actual suitcase, how do you decide what to pack (and how much)?
いちページにつき、どれだけのコンテンツなり情報を詰め込んでよいのか、という話題に関連して登場した比喩。行き先や体力なんかによって旅行カバンのサイズは異なるべきなわけで、要はユーザーにとって快適なカバンの大きさを踏まえてパッキングしなきゃ、ですね。
The real challenge is that we're not packing for ourselves. We're packing someone else's stuff.
上記の比喩の後に登場するくだり。難しいのは、その旅行カバンを「自分ではない誰か」が使うということ。その誰か(=ユーザー)のためにカバンのサイズを決めたり、中に何を詰めるべきか考えなければ!

関係ないけれど、本書を買った際に会員登録をしたところ35%オフのボーナスクーポンがもらえたので、『ウェブレイアウトの教科書』のなかでプッシュされていた『Designing with Progressive Enhancement: Building the Web that Works for Everyone』をポチってしまいました。少し前の本だけれど、前から気にはなっていたし、割引&円高のおかげで安く手に入れることができたので、まぁいいかなと。来月の出張の際に往復の機内で一気に読めるかな?

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