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宇宙飛行士になった子どもたち

書籍にまつわる2009年最後の覚え書き。日本宇宙少年団企画、杉山由美子著『宇宙飛行士になった子どもたち』を読了。本書は向井千秋、若田光一、山崎直子、古川聡の各宇宙飛行士それぞれのお母様に聞いた「子どものためになること」の集大成。宇宙飛行士といえば、一般的に知力・体力とも人並みより優れたイメージがあるし、実際そうでなければ過酷な訓練や実際の飛行に耐えられないであろうことは十分予想できます。であればこそ、一体どんな幼少時代を過ごしたのか、家庭でどのような教育が施されていたか、親御さんであれば(子どもに宇宙を目指して欲しいと思っていなくとも)気になるところかもしれません。

とはいえ、何か凄い秘訣なりテクニック、子どもに高学歴を築かせるためのノウハウのようなものを本書に期待してしまうと、多分ガッカリすると思います。それだけ、インタビューを通じて聞かれた内容というのは平凡なのです。もちろん、紹介されているエピソードのひとつひとつは「へぇ、あの方がねぇ」という感じで面白くはあるのですが。本書もまた、当たり前のことを当たり前のようにこなすことがいかに難しいかのひとつの証左かもしれませんね。僕的にすごく賛同したというか自分も実践しているつもりなのは、p.72で若田宇宙飛行士のお父様のスタンスとして紹介されていた以下のくだり。

おとうさんは、たとえ小さくても甘やかしはしませんでした。まだよくわかっていない子どもにも道理を言ってきかせました。小さくても1対1の人間同士という態度でのぞんでいたのです。

この「1対1の人間同士」という考え方が、僕にはとても重要に思えます。幼いがゆえに足りない部分、親として補ってやらなければならないところは多分にあるけれども、同時にいち個人として尊重してやらなければいけない部分だってもちろんあって、そこをしっかり意識しておかないと、何かを注意する場面でもつい自分の言いなりにすることばかりに専心してしまう懸念があります。なので、自分の息子であるという親子の関係性はそれはそれとして、それ抜きに向かいあったと仮定したとき何をどう伝えて行くべきかということを、ちょっと意識していたりします。

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