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真説 ザ・ワールド・イズ・マイン

昨年の暮れ近くに、情報考学 Passion For The Futureで『真説 ザ・ワールド・イズ・マイン』が取り上げられました。それを僕がブクマしたのに気づいたnoriyoさんが、全巻をお持ちだということを教えてくださり、ありがたく昨年12月30日にお借りした次第。もともと気になっていた漫画だっただけに、一気にその世界に引き込まれました。なにせ、大晦日の午前0時くらいから読み始めて、朝5時過ぎには読み終えてましたから。全5巻あって、いずれもそれなりに分厚いのですけど、概ね1巻あたり1時間で読み進めた計算です。以下、ネタばれ含みます。

読み終えてみてまず思ったのは、絵的にも内容的にも、なるほどこれは物凄い漫画だなと。と同時に、激しく消化不良感を覚えました。その最たる点は、ヒグマドンを中心としたストーリーと、トシ・モン・マリアの3人を中心としたストーリー、双方をどう紐付けて解釈すべきか?というあたりの情報不足。あまりにもスケールの違うストーリー同士に思えてしまって、それゆえの不連続性、あるいは文脈の欠落を感じざるを得ず……そこが読者の側で自由に楽しむべきポイントにもなっているのは理解できますが。そして、ラストのパンスペルミア説に則ったとも思しき展開でも消化不良。地球が破壊に至る原因や経緯が不明確なのと(世界中の核爆弾を爆発させたところで、惑星ひとつ砕くだけのパワーがあるとは思えません)、その破壊を経てもなお棺は残り宇宙を漂うって部分は、激しく納得できません。それまで個々のストーリーが割と緻密かつ丁寧に描かれていたように思うだけに、個人的には残念なラストでした。

余談になりますが、新井英樹氏の描く暴力シーンは、本気で痛々しい。かつて浪人時代、まだモーニングを毎週欠かさず買って読んでいた時分、『宮本から君へ』っていう漫画を読んでいたときにも思ったけれど。っていうか、また『宮本から君へ』読みたいなぁ。近く『定本 宮本から君へ』として復刊されるらしいです。

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