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ウェブは菩薩である

9月のワシントンD.C.出張中に読み終えた本の覚え書き、その1。著者の深見嘉明さんよりいただいた『ウェブは菩薩である』について、です。お願いしていた通り、サイン入りで送っていただいたにもかかわらず、紹介が遅れてしまい申し訳ありません。もともとこの書籍、第7章のタイトルにある「合コンでのアドレス交換とマイクロフォーマットの意外な関係」がきっかけでチェックしていたのですが、その後図らずも深見さんご本人とマイクロフォーマット出版記念セミナーでお会いすることができて以下略。

いずれの章も、副題にあるとおりメタデータをテーマにWebにおける昨今のトレンドを紹介しています。Webに日常的に接していない人でもスイスイ読み進めることができるであろうほどに、平易な文体で「よくぞここまで......」というぐらい分かりやすく書かれており、そして挿入されているイラストがまた素晴らしい。パーマリンクとは何か、を説明している図3-1なんかは特に、なるほどそういう説明の仕方もあったのかと、興味深く拝見しました。全体的に、万人にオススメできるWeb 2.0の説明書、という見方もできそうです。僕の両親はインターネットを使っていませんが(パソコンなら僕が昔使っていたのが実家にはゴロゴロしているのだけど)、本書をもってすれば、そんな彼らにだってWebの潮流、あるいは進化の一端を理解してもらえそうな気がします。そういえば、イラストをお描きになったわたなべすがこさんもウェブやIT機器との接点が少ないことが、深見さんによって紹介されていました(「ジュンク堂書店新宿店でのトークセッション,ご来場いただいた皆様ありがとうございました」参照)。立ち位置が近いところで着想を得たことの帰結とあらば、激しく納得。

深見さんがなぜ「ウェブ=菩薩」との結論に至ったか、については本書にまかせるとして、結局のところ書かれている内容というのは一種の人間賛歌のように感じました。当然ながら、Webを発明したのも人間なら、それを今日あるまでに発展させてきたのも人間ですしね。そこには負の側面もあれど、深見さんは正の側面、ポジティブな部分にフォーカスし、そこに大いなる好循環を見出された、と。そしてその好循環を機能させ続け、さらには一層加速させつつある「触媒」としてメタデータに注目をされた、ということでしょうか。今後のさらなる研究活動に、勝手ながら期待をさせていただきます。ありがとうございました。

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