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NASAのWeb標準への取り組み

数日前にWaSPのML経由でNASA - Web Standardsというコンテンツを教わったときには、軽く衝撃を覚えました。NASAのWebサイトで使われているテンプレートを、一貫性あるUIを提供する目的で公開しているだけ、と言ってしまえばそれまでですが、宇宙機関としては異例と思えるほどの力の入れようを感じます。もっとも、アメリカにはかの有名なSection 508があるから、Webアクセシビリティ向上への取り組みを内外に示すための一種のパフォーマンスに過ぎない、なんて見方をすることもできるかもしれない。だいたいトップページだけを読んでも、このコンテンツの対象読者が広く一般訪問者なのか、NASA内部のステークホルダーなのか、はたまたNASAからWeb制作を請け負う企業や個人向けなのか、ピンと来ないし。それでもなお、Web標準の普及啓蒙に携わる一人の宇宙開発ファンとしてはですね、この取り組みを大いに歓迎し、また応援したいと思ったのであります。コンテンツは大きく以下の4つのセクションに分かれています。

NASA Templates
テンプレート一式がダウンロードできるコンテンツ。ご丁寧に、SSIあるいはPHPが使える環境向けにも個別にパッケージが用意されています。3〜1カラムレイアウトの実例やCSSソース、複数モジュールを1枚に収めた状態のページなどへのリンクもアリ。
Building Your Site
テンプレートの具体的な利用法の紹介コンテンツ。テンプレートに採用されている文書型はXHTML 1.0 Transitionalですが、その簡単な解説であるとかナビゲーション部分のカスタマイズ法、ページ固有のコンテンツ実装法などがあります。
Why Web Standards
なぜWeb標準に取り組む必要があるのかを説くコンテンツ。例のSection 508やアクセシビリティとの相関、コストメリットに加え、NN4.x Damage Controlというコンテンツが興味深い。
Help Desk
CSS関連のリソースへのリンクがいくつかあるほか、困ったときの問い合わせ先を掲載。

全体を通じて、Zeldmanの書いた「Designing With Web Standards(日本語版:Designing with Web Standards—XHTML+CSSを中心とした「Web標準」によるデザインの実践)」にある内容をベースとしているようです。ほかにもEricの「Eric Meyer on CSS(日本語版:スタイルシートスキルアップ・デザインブック〈1〉)」が紹介されているあたり、どうもこのコンテンツが作成された時期自体は3年ぐらい昔のことの模様(ちなみにこれら2冊の書籍の日本語版はともに自分が監修として参加しているだけに一層、感慨深い)。まぁ内容的に古くなっている部分はあるにせよ、こうした取り組みは高く評価されて欲しいと思うし、是非今後も継続して欲しいな。NASAの内部にはWeb標準のエヴァンジェリストが勤めているのだろうか?是非その人と一度お話してみたいよ。それ以上に、日本の某宇宙機関でこうした取り組みはあるのだろうか?なんて想いも……w

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