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夢をかなえるゾウ

出張が間近に迫って気持ちばかりが焦るこの3連休。その最終日は家族に申し訳ないなと思いつつも出社してタスクを少しばかり減らしたりしたのですけど、本来であれば昼食に充てる時間を利用して「夢をかなえるゾウ」を読了。夢をかなえるゾウを読んでニヤニヤしながら靴を磨きました : akiyan.comでその存在を知って以来、もともと自己啓発系の本が好きなので気には留めていたのですが、この手の本は当たり外れが大きいと思っているので、書店で中身を多少なりとも確認したうえで購入しようと思っていたのです。先週の木曜日に品川の書店でようやく見かけて購入、この連休中にようやく読み始めてみたら、あっという間に最後まで読んでしまいました。とにかくそれだけ強く引き込まれたし、面白かったってことです。

本書を魅力的にしているのは、何より主人公に数々の教えを授ける神、ガネーシャの存在。ガネーシャ - Wikipediaの説明にもあるように太鼓腹の人間の身体に 片方の牙の折れた象の頭をもった神で、4本の腕をもつらしいですが、本書に登場するのはなぜか関西弁を使いこなす謎の存在。言動がいちいちユーモラスなんだけどクドいところも多々あり、しかし同時に憎めないキャラクターでもあって、読者の立場からすると説教じみたところを微塵も感じさせることなく物語を進行させる(=主人公を成長させる)様は見事としか言いようがない(主人公視点では説教臭い場面ばかり、かもしれないのだけど)。歴史上の偉人達のちょっとしたエピソードが随所に散りばめられているところも素敵。

ガネーシャの教えというのは、彼自身が主人公に対し述べているがごとく、決して何か斬新な発想なり方法論に基づいているのではなく、むしろ巷にあふれる数々の自己啓発書を通じさんざん語られ済みかもしれない程度のこと。ただ彼の言葉には説得力が感じられて、それはなぜだろう?と思ったときに強く思い当たるのは、やはり全編を通じて存在するストーリー性、なんですよね。主人公とガネーシャの突然の出会いから、彼らが再び別れ、そしてあたかも輪廻を感じさせるがごとくのオチに至るまで、ひとつひとつの「教え」は独立しながらもしっかり前後で繋がり一つの文脈を形作っています。その点が僕にとっては非常に新鮮だったし、他の自己啓発書とは別種の説得力をもって、自らの望む人生を手に入れるためのメッセージが沁み入ってくる、そんな気がしました。

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