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タイムマシン

[ 2009-10-12追記 ] 以下の覚え書き(書評)は、著者であるアニリール・セルカン氏の経歴詐称疑惑が明るみになる前に記述したものです。疑惑の詳細については、アニリール・セルカン経歴詐称疑惑 - トップページアニリール・セルカン(Serkan ANILIR)氏の経歴詐称、業績捏造の追求blogをご覧ください。

アニリール・セルカン著「タイムマシン」はとっくに読了していたけど、体調崩したり忙しかったりで時間がなかなか取れず、ようやくといった感じで覚え書きします。本書は、先日情報のセレンディピティー 宇宙につながる「関係性(Web)」の未来に参加した際、イベント終了後に催された書籍の即売&サイン会で購入したものです。本当は「宇宙エレベーター こうして僕らは宇宙とつながる」のほうを買いたかったけど、行列に並ばずに浅野さんとお話しながら待っていて、気付けば同書は売り切れちゃってこの「タイムマシン」しか残っていなかったという。とはいえ、販売員の方曰く「1時間もあれば読み終えられる文章量ですし、漢字に読みがなも振ってあるので親子にオススメ」とのことだったし、とにかくサインが欲しかったので買った次第です。
本書は、Serkanさんがかつて取り組んだタイムトラベルの実験と、それに至るまでの経緯を面白可笑しくつづったもの。タイムマシンという、一般的にはSFの世界の機械であって実現は不可能と見なされる対象に、15歳という年齢にして真摯に取り組み、家族を含め周囲のオトナ達を巻き込んでいく様は痛快だし、それがすべて実話だということに少なからず驚かざるを得ません。著者を含む13人の少年たちは、いずれもタイムマシンに取り組む直前に宿舎学校を退学させられていて、つまり客観的に考えると将来に向けて進むべき道が少しばかり見えずらくなるようなイベントがありました。にもかかわらず、それを逆にバネにして(宿舎学校という環境下では絶対手に入らない自由さをもって)自らの夢に情熱的に取り組んだ、というのは素敵だし羨ましいとも思います。かくいう自分も大学時代、鳥人間の世界にハマってしまい、授業やら試験そっちのけで人力飛行機の製作とパイロットとしてのトレーニングに打ち込んでいたときは、その後(=大学卒業後)のことなんて正直あまり眼中に無かったし、将来を不安に思う暇なんて無いぐらいだったから、本書の主人公である少年らの気持ちには共感できるところが少なからずあるかな。彼らにとっての宿舎学校が、ちょうど僕の人生でいえば大学受験を終えるまでの一連の受験戦争というプレッシャー、に相当するかもしれなくて。
この手の本を読むと、心の底からやりたいと思えることを発見する能力とか好奇心の大事さを痛感するし、自分の息子にもそれを伝えていけたらいいなと思います。いつ(何歳)になったら読めるかわからないけれど、彼にも是非読ませたい一冊でありました。

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