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ディスカバリー号、無事帰還

お金と時間の双方の多大な節約となることから、あくまでもKSCへの着陸を期待して気象条件の改善を待ち続けたNASAでしたが、さすがに天候ばかりは思惑通りにならなかったようで。スペースシャトル・ディスカバリー号は、カリフォルニア州にあるエドワーズ空軍基地のほうに着陸させることを決定したとのこと。着陸予定時刻は日本時間の午後9時12分であり、そのとき僕はまだ会社にいたわけで、帯域を食ってまでNASA TVの中継を堂々と見るのは憚られました。ちょうどその時刻にNASA's Return to Flightにアクセスしてみたら、既にDiscovery and the STS-114 crew have touched down safely at Edwards Air Force Base in California, successfully wrapping up NASA's historic Return to Flight mission.と書かれていて、大気圏突入も無事にクリアしクルー全員無事に帰還したことを知りました。自宅に帰るとちょうど報道ステーションのなかでこの件が取り上げられていて、真っ暗な闇の中を着陸するシーンを久しぶりに目にすることができ、嬉しかったですね。
途中いくつかの問題が発生したとはいえ、STS-114のクルーが無事帰還することがミッションを成功と位置づけるための最低限と個人的に捉えていたので、まずはその達成を素直に喜びたいです。同時にそれら未解決の問題、つまり液体水素枯渇センサの異常や外部燃料タンクの断熱材脱落といった問題が、今後どの程度のタイムスパンで解決が可能が気がかりです。NASAは次の打上げも早期に実施したい考えのようですが、今回のような打上げ条件を緩和してまでの強行は * 絶対に * 避けていただきたいですね。スペースシャトルは20年以上も昔の設計思想に基づき製造された機体とはいえ、決して成熟した(枯れた)技術の総和とはいえないことが良く分ったし、安全性よりスケジュールを優先しているように思える傾向をNASAに今なお感じてしまったものだから。
民間による宇宙観光産業に用いる宇宙機は、スペースシャトルの運行とはまったく関係なく開発が進められていると思うけれど、やっぱりディスカバリー号の帰還は好材料でしょう。物理的にというよりも、精神的に、という意味で。ネガティブな事象に萎縮してしまう顧客ってのは存在するでしょうから。

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