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使い捨てと再使用

JAXA宇宙科学研究本部のサイトにある「特集」コーナーで、宇宙科学の最前線:「ロケットの次のゴール」または「詐欺師ペテン師の世界」というコンテンツが公開されていました。記事をお書きになったのは、宇宙航行システム研究系の稲谷教授。
ぱっと見て、最初のページにある画像が合成であること、どれだけの人が気付くのかなぁ。写真に写っているロケットは紛れも無くRVT(再使用ロケット実験機・離着陸実験)の機体なんですが、その機体ってのは人間の大きさに比べこんなに巨大なモノでは無いわけですよ。タラップも付いて無いしね。紙袋を提げて、いかにもこれから宇宙観光に行こうとロケットに乗り込む人々の姿を描いているのですが、良い出来栄えの合成写真だと思います。僕自身、最初は何気に見逃してまして、ふとした瞬間にああなるほど、と思った次第です。
文中ではまず、衛星打上げ以外の輸送需要として太陽発電衛星の建設と宇宙旅行を紹介。それに対応するためには打上げ費用を安くすることが必須であり、そのためには高頻度の飛行が求められることを解説。使い捨て型のシステムの安全性や信頼性では割に合わず、再使用の故障許容システムでなければ対応できないことを示した上で、両者の考え方は異なるのだ、と説いています。その故障許容システム実現へのアプローチがRVTなわけですね。いやぁしかし稲谷教授の文章はなんか独特の「味」があって面白いです。ちなみに最後のページに登場する、有人ロケット実験機への搭乗希望アンケート結果は、先日参加した宇宙旅行シンポジウムのなかでも紹介されていたものですね(すみませんまだレポート書いてません)。

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